隔日おおはしゃぎ (Road of座)

Road of座(ロードオブザ)の代表大橋拓真が、ほぼ隔日でコラムを書くところ

♯3 道って不思議だ

「道なき道を進む」なんてことばがあるけれど誰が街路樹を叩き倒すだろう?誰が高い塀を乗り越えるだろう?誰が立ち入り禁止のビルを横切るだろう?

このことばを人生レベルで体現しようとする人は数知れぬのに、いったいどうしてその人たちの毎日は今ある道に縛られて送られているのだ。

昔、小学生の時くらいまで、道はなかった。公園の植え込みにボールが飛び込んだら躊躇わずかき分けて取りに行っただろうし、壁という壁を見ればその次には「どこに足をひっかけて登ってやろうか」などと考えていた。ゲームのキャラクターが、イベントをこなさねば行くことのできないエリアに行けない時どうしてこの柵を乗り越えて行かないのかなどとイライラしていた。

時が経ち、背も高くなり、昔その高さに悔し涙をのんだ壁さえも今ならばやる気ひとつで乗り越えられるだろう。しかし、しない。体裁の壁が乗り越えられないのである。

他にも車で、電車で、バイクで、どこかへ行こうと思えば普通地図を見る。どの道を使おうか、高速道路が味気なければ国道を使おうか、いや県道の住宅街を駆け抜けてもよい、そんなことを思案するだろう。電車の場合は路線図を調べるだろう。しかし自由を豪語したとしても、道路のない場所(陸の孤島)には行くことができないし、駅のない場所には降りることができない。なあんだ。と思った。どんな権力者も重力の作用に従っているように、今ある道に従っているのである。かわいいものである。

そこで我々に課せられた問題はこうである。道なき道【未知】は存在するのか?道なき道【未知】は認識できるのか?道なき道【未知】を選び抜く体力はあるのか?道なき道【未知】は我々を招待してくれているのか?我々はその問いに答えることが出来るのか?

我々はその問いに答えることが出来るのか?

我々はその時に確かな手応えを持てるのか?

road of座という名には途方もない宇宙が込められているのである。