隔日おおはしゃぎ (Road of座)

Road of座(ロードオブザ)の代表大橋拓真が、ほぼ隔日でコラムを書くところ

♯47 Hotel Californiaを和訳してみた

https://m.youtube.com/watch?v=8UAlD8SI-6U


Hotel California

On a dark desert highway,
Cool wind in my hair,
Warm smell of “colitas”
Rising up through the air,
Up ahead in the distance
I saw a shimmering light,
My head grew heavy and my sight grew dim,
I had to stop for the night.

暗い砂漠の道すがら
涼しい風に髪がなびいて
暖かいコリタスの香りが湧きおこる
ふと前の方に目をやると
おぼろげな光が見えてきた
頭は重いし視界もおぼつかない
今夜はどこぞで泊まっていかなきゃならないな

There she stood in the doorway,
I heard the mission bell
And I was thinkin’ to myself :
“This could be heaven and this could be hell”
Then she lit up a candle,
And she showed me the way,
There were voices down the corridor,
I thought I heard them say

彼女は玄関に立っていた
すると礼拝の鐘が聞こえてきて
『ここは天国、それとも地獄?』
なんて疑問が頭に浮かぶ
ろうそくの明かりで見えてくる回廊
そこを歩いていたら声が聞こえてきた
そしてそれはこんなことを言っていた

Welcome to the Hotel California,
Such a lovely place,
(Such a lovely place)
Such a lovely face
Plenty of room at the Hotel California,
Any time of year,
(Any time of year)
You can find it here

ホテルカリフォルニアにようこそ
ここはとてもよいところ
ここはとても素敵な顔ぶれ
ホテルカリフォルニアはたくさんのお部屋をご用意しております
年中いつでも
あなたのご利用をお待ちしております

Her mind is Tiffany-twisted,
She got the Mercedes Bends,
She got a lot of pretty, pretty boys
she calls friends
How they dance in the courtyard,
Sweet summer sweat
Some dance to remember,
Some dance to forget

彼女の心はティファニーのように捻れて
夢とうつつの区別も出来なくなった
彼女はかわいいかわいい男の子をたくさんはべらせて
彼らをオトモダチと呼んでいる
中庭では人々が踊っている
甘く夏の汗
何かを思い出すために踊る人
何かを忘れるために踊る人

So I called up the Captain
“Please bring me my wine”
He said, “We haven’t had that spirit here
Since nineteen sixty-nine”
And still those voices are calling from far away,
Wake you up in the middle of the night
Just to hear them say:

僕はというと、給仕長を呼んでご注文
『僕にぴったりのワインを一つ』
すると彼は答えた
『そのような物は1969年以降置いていないのです』
遠い彼方から僕を呼ぶ声が止まらない
真夜中
僕にこんな事を言う声が止まらない

Welcome to the Hotel California,
Such a lovely place,
(Such a lovely place)
Such a lovely face
They’re livin’ it up at the Hotel California,
What a nice surprise,
(What a nice surprise)
Bring your alibis

ホテルカリフォルニアへようこそ
ここはとてもよいところ
とても素敵な顔ぶれ
皆様ここでの暮らしを大変気に入っていただいております
素敵なサプライズを
口実のつくまでお楽しみください

Mirrors on the ceiling,
The pink champagne on ice, and she said:
“We are all just prisoners here,
Of our own device”
And in the master’s chambers
They gathered for the feast,
They stabbed it with their steely knives,
But they just can’t kill the beast

鏡張りの天井
氷の上にはピンク色のシャンパ
彼女がささやく
『みーんな好きでここに囚われてるのよ』
そして今まさに支配人の部屋に人が集まる
祝宴が始まるのだろう
人は鋭いナイフを突き立てるが獣は殺せない

Last thing I remember, I was running for the door,
I had to find the passage back to the place I was before,
“Relax,” said the night man, “We are programmed to receive,
You can check out anytime you like… but you can never leave

僕が最後に覚えているのは逃げているところだ
元いたところに戻る通路を見つけなければならない
『落ち着いてください』夜警の声
『我々はあなたのような人のためにここにいるのです』
『チェックアウトならいつでもどうぞ』
『でもあなたはもう立ち去ることは出来ません』




言わずと知れたThe Eaglesの1976年の名曲です。そして神秘的な詩がさまざまな解釈を巻き起こした一曲。

統一的な正しい解釈はおそらくないのでしょう。よく、ネットなどでコメントを見ていると麻薬中毒者の幻覚だとかラブホテルの歌だとかさんざんなものが出てきますが、そのように解してしまうにはあまりにもったいない世界観ではないでしょうか。

麻薬中毒という根拠は序盤の「colitas」で、これはマリファナの隠語だそうです。しかしそこから出てくるホテルカリフォルニアが全て幻覚の産物であるとしてしまうにはその後の歌詞があまりに意味深すぎます。

たとえば給仕長が1969年以降そのようなスピリットを置いていない、という一節がありますが、これもいくつかの意味が込められているといわれています。『1969年はウッドストックで大規模なロックフェスティバルが開催された年であり、それ以降ロックンローラーは商業主義に走るようになった。それまでの純粋な表現の手段としてロックをするようなスピリット(魂)は消え失せた』等。

しかし…

『何かを思い出すために踊る人、何かを忘れるために踊る人』
『鋭いナイフを突き立てるが獣は殺せない』
『チェックアウトは出来るが立ち去ることは出来ない』

何だか惹きつけられるものがありますね。僕は難しい意味はよく分かりませんが最後のギターがとても好きです。