隔日おおはしゃぎ (Road of座)

Road of座(ロードオブザ)の代表大橋拓真が、ほぼ隔日でコラムを書くところ

こいバナはるき♯1 ネット小説のバナ

それは三日前の話、「こいバナはるき、でブログ記事書いて」なんて伊勢川に頼まれて。いやいやいや、ブログ記事って…こいバナって…なんて思いながら頑張って書いていきたいと思います。

はじめまして、Road of座の稲葉です。とりあえず一回目のブログです。こい、恋、故意といろいろあるので今回は「濃い話」で書いてみようかなって思います。もしかしたら今後変わっていくかもなのでどしどしアイデア募集中です。




実は自分、中学のころからこっそりと続いてる趣味がありましてそれがネット小説を読むことです。あんまりネット小説にいいイメージがある人は少ないと思いますが、まあそんな感じです。もちろんピンからキリまで幅広くあるのですが、書籍と違って狭き門をくぐってないのでものすごくキリまであります。むしろピンだと思う作品はあまり出会えてないです。もしネットに小説を公開してる人が読んでたらごめんなさい。でも、どっかのラノベの二番煎じみたいな作品もたまになら「くだらねぇ」って思いながら楽しめるモノなんですよ。



今回はその中で今でも読み返す作品を一つ、
「名探偵・桜野美海子の最期」http://ncode.syosetu.com/n8857cu/
作者は凛野冥さま。あらすじとしては稀代の小説家が建てた塔に5人の名探偵とその助手が集められる。探偵と密室空間が合わされば起きるのはもちろん殺人事件。連続殺人に密室殺人やダイイングメッセージなど推理小説の醍醐味を盛り込んで、最終的にはどんでん返し、といった感じ。

この作品で好きなのは全体に流れるマヒした感覚だ。例えば作中で使用人が死んでいても誰も慌てない。なぜなら登場人物が全員探偵の関係者だから、むしろ喜んだり次の犠牲者を推理するだけ。作品全体でも探偵が5人もいたり、推理小説のお約束がこれでもかと詰め込まれていたりと、読者がマヒするのだ。だから異常であるはずの探偵たちの反応を正常だと思ってしまう。そうしてマヒした自分の感覚に気付いてしまうのだ。

この作品の主題としてあるのは、作中にも出てくる「後期クイーン問題」。簡単に言うと探偵による推理は一つの結論であって真実だとは確かめられない、ということ。なんかまだ難しいですね。例えば、探偵が推理をする、けれど作中一度も触れられない証拠や目撃情報、又は探偵の推理の基となる証拠が間違えてたとい場合があるかもしれない、それなのに「犯人はお前だ」と言って犯人の自白があって、それで全部を丸く収めてしまうことだ。

この話の何が怖いって、「何を言ってる、当たり前じゃないか」って思ってしまうことです。探偵が決めた犯人は犯人であり、犯人が崖際に追い詰められて自白すれば万事解決なのです。例えどんだけ飛躍していようがホームズが言えば正しく、何百年後の東洋の端っこの国でも探偵の第一人者としているんです。それが当たり前なんです。こういう風に読者はマヒしているんです。

つまり作者も読者も、何をもって終わりとするかが大切なんだと考えてます。この物語りの不完全さを唯一補えるのは読者側の想像力なんですから。こんな感じでとりあえず書いてみました。面白いのかな?あんま濃い話してない気もしますし、とりあえず来週までに面白いネタ考えておきます。



あ、不完全な物語と言えば8月29日に僕らRoad of座の第二回公演「そいつのまわりを ぼくたちは」を上演します。詳しいことはホームページに書いてあります。てかホームページ頑張って作ってるので見に来てください。以上稲葉でした。
https://roadofza2017.wixsite.com/roadofza