隔日おおはしゃぎ (Road of座)

Road of座(ロードオブザ)の代表大橋拓真が、ほぼ隔日でコラムを書くところ

♯23 なつやすみにっき

8がつ5にち土よう日。てんき、晴れ。

今日は、夕方くらいまであきひさの家であそんで、こうえんに行った。ぼくと、あきひさは公園のおかに上がって、がくやとしゅんは鞦韆で遊んでた。そしたら、さっきまでグランドであそんでいた小学生男子たちもおかに上がってきた。『お兄ちゃんたちなにしてるの』ってきかれたから、『あそんでるよ』って答えた。『せいじん男せいなのに?』っていわれた。かなしかったです。


きゅうに、二、三人がおそいかかってきたので、もち上げてあげた。そしたらだれかがなぜか『たおせー!』っていって、小学生男子にたおされることになった。かなしかったです。

ぼくは一人おんぶだけだったけど、あきひさにはさん人くらいぶらさがっててかわいそうだった。うしろにけはいがすると思ったら、だれかがぼくのおしりに石をつきさしました。ぜったい先生いう!

ぼくは、がくやとしゅんもなかまに入れてあげたかったので、小学生たちに『あそこにもぼくたちのなかまがいるよ~』っていってあげた。そしたらみんな走っていってふたりにおそいかかってた。がくやとしゅんはにげてたけど、二人ともすごくうれしそうだったので、うれしかったです。

小学生はみんなすぐ土をもったり、木のえだをぶきにするので、『おとこだったらみひとつでこいよ!』っていったら『だっておれたち子どもだもん』っていわれた。いいかえせなかった。『がくせいってこんなにあそんでていいものなんだ』っていわれた。まったく、かんのいいガキはきらいだよ。

あきひさが、サンダルを強だつされたので、小学生四人と、ぼくら二人ですもうをして、こっちがかったら返してもらうことになった。小学生はぜったい塩をまくのをわすれなかった。二、三回太ももにひざをいれられたり、はらにパンチをくらったけど、なんとか勝つことができた。何かいやなよかんがしたけれど、案のじょう『三回勝負だもん』って言われて、最終的に『外に出ても二回までは復活オッケー』まで譲歩することになった。大人げなく勝った。

勝ったのに、一人が伊勢川のサンダルを腕に挟んで返そうとしなかったので、『お話しよう』といって近づいたときに奪い返した。さすがに大人げなかったので謝った。

30分くらいのんびり公園で遊んで帰ろうとしてたのに、結局1時間くらいここ最近の中で上位に入るレベルの激しい運動をすることとなった。今後公園で小学生と遊ぼうと思ってる人に忠告。小学生男子は楽しいと思ったことは永遠にやり続けたがるぞ。

8月5日土曜日。天気、快晴。

夜になって、何となくさっき遊んだ公園が見たくなったので行ってみた。騒がしさはノスタルジックな街灯に打ち消され、耳に残る、あの声変り前のヘリウムガスを吸ったような声を思い出す。近くのマンションの一室から、優しいオレンジの光が漏れている。そこから、その声が聞こえたような気がした。

かたはらいたし#2

【悲報】きたはらのかたはらいたし、不評。
どうやらアクセス数が大橋、稲葉に比べて少ないらしい。まさかあんな感じに数字で表されると思わなかった。棒グラフて。ノルマきつめの不動産企業か。


内容もまぁまぁ不評。「全然モノ申してないじゃん」「タイトル関係なくね」「なんか、ここ面白いと思って書いたんだろうなと思いながら読んだ」等。

最後の「なんか、ここ面白いと思って書いたんだろうなと思いながら読んだ」は大変悪質。こいつは最初の「ノルマきつめの不動産企業か」のくだりで同じ読み方をしてニヤッとしてるに違いない。そんな見方して上に立った気でいてんじゃねーよ。そういう態度でいるから頑張らなきゃいけない局面で余計なことばっかり考えてうまくいかないんだよ。さっさと宮城の実家に帰れ。愛してるよ。

好評な意見として一番多かったのは「読んでない」であった。あと読んでくれるのはありがたいけどラインで「きたはらのかたはらいたし」とだけ送ってくるの止めろ、複数いたぞ。含み笑いで「ブログ」とだけ言ってくるのもやめろバカタレ。愛してるよ。

(思いっきり改行、前回のやつ改行少なかったですよ)












【ここから前回の続きです。前回を読んでいない不届きものはリンク(http://roadofza.hatenablog.com/entry/2017/07/30/091757)から飛んで記事のアクセス数を増やして頂きたい。他の記事は読まなくていい。】
前回「きたはらのかたはらいたし」が投稿されたのはちょうど一週間前の9時すぎごろだった。書いたものを伊勢川さんに送り、それを伊勢川さんが投稿するという形をとっているので、僕が書いた時間と記事が投稿される時間にはズレがある。

前回の記事が投稿された9時すぎごろ、私たちはビックカメラ札幌店に並んでいた。明らかに、前の週より人数は多かった。しかし当たるという確信があった。だって人集めたし。人に頼み事できるようになったし。事前に集めた人数17人。「人多いねー」「超倍率高いじゃーん、無理だよムリムリー」口ではそう言いつつこっそりほくそへむ、こっちは17人ですわ。いや自分を含めて18人。「11人いる!」より7人多い。あと二人いればAKBの初期メンの人数である、中西里菜平嶋夏海が足りないがまあいい。これは、勝ち。

15分ほど並んで番号の印刷されたリストバンドをされる。しかし前回ほど祈る気持ちはない。俺が外れても、分身が17人いる。
分身たちにラインを送る。「今日はありがとー、番号何番だった?」
次々に番号が送られてくる。いい感じで番号が散らばっているので当たる確率も高いに違いない。完全にほくそへむを通り越したニヤケ顔で番号をメモする。たぶんキモかった。
……しかし結構な人数、既読すらつかない分身がいる。

嫌な予感が胸をよぎる。青春ア・ミーゴ

どうなってるの!?9人しか確認できてないわよ!このままじゃノルマ危ういじゃない!ブラック企業のワンマン女社長ばりのカナキリ声を上げる。

11時。抽選受付から1時間ほど過ぎたころ通知が立て続けになる。
「絶起」「今起きました」「すみません起きれませんでした」「」「」「」」」」」」」」」

ボムンッと、分身が消える音が聞こえる。チャクラ切れである。なんてこと!労働基準監督官の登場に女社長も真っ青である。結果9人、想定の半分。私が甘かったというの!?
AKB48が118人であることを踏まえれば半分以下になることは想定してくべきことだったというの!?

12時。ツイッターにて発表された当選番号と目の前に並んだ9人分の番号を見比べる。。頼む当たってくれ……!めっちゃ祈った、さながら祈祷師…いやこれは流石につまんねぇわ。スプラトゥーンスプラトゥーンスプラトゥーンスプラトゥーンスプラトゥーン!!!

イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
箱がもうカワイイ!箱がもうカワイイ!箱がもうカワイイ!箱がもうカワイイ!箱がもうカワイイ!!!!開封!ほらほらほらほらジョイコンのカラーカワイイ!イカしてる!すごい好き!すごい好き!愛しきMy Angel !明日数学テストだけど!


はしゃぎまくって当たったという旨のツイートをしたところ同期年上女子から「こういう話題見る度に世の中っておひとり様に厳しくできてるなって思う。おめ」というリプライが来た。急に後ろめたくなった。最後にとってつけたような「おめ。」がもう。

当選番号の発表はゲーム売り場のレジ横でもされており、購入するためにはそこに並ぶ必要があった。外れて泣く子供たち。ぐずってその場を離れようとしない我が子を怒鳴りつける母親。その横のレジに並ぶ当選が印刷されたリストバンドをしている自分。「こういう話題見る度に世の中っておひとり様に厳しくできてるなって思う。おめ」



あれから一週間、無事すべてのテストを終え長い長い夏休みに入った。モッティーの実況プレイ動画(https://www.youtube.com/user/MOTTYGAMES)での予習の成果もあって0から始めて一週間とは思えない立ち回りをみせている。だって僕はあの子たちの分まで楽しまなきゃいけないから。ガチマッチはまだ怖くてできず、ナワバリバトルばっかりだが。

いせがわ♯1 Road of座に名を連ねるバカを紹介する参

ブログを開設したのが6月15日。
今日が8月5日だからまぁざっと50日経ったわけさ。その間ブログの記事を受け取っては投稿するという事務作業を繰り返していたんだが、遂に重い腰を上げて僕が書かなくてはいけなくなってしまった。ナンテコッタ

ちゅーわけで、めんどくさいけど大橋の紹介文を大橋に代わって書いてやろうと思う。



大橋拓真君は現在22歳。誕生日の兼ね合いで伊勢川(20)と比べると2歳も違う。

22歳というとジョンレノンがビートルズを結成し、ピカソが青の時代の傑作「人生」を発表し、白鵬横綱になり、星野源大人計画に加入した年齢。

しかし何をおいても、順当に進学した人間が大学を卒業する年齢である。ヤッベ。


大橋君はこの22歳の前半をバンクーバーとフィリピンで過ごすらしい。何をするのかは皆目見当もつかないが、異国の地で何か見つけて来てくれたらいいな。できれば自分以外で。




伊勢川と大橋君の出会いは本質的には「あふたーむーびー」っていう芝居なのか。芝居っていうのもおこがましいけど。とにかくその芝居で大橋君は役者賞を取ったんだけど、それが彼の中で分岐点になったみたい。

でかい声と悪くない滑舌と、生まれ持つエンタメ性が売り。

いつだか意気投合して自分たちの団体を立ち上げた。斜に構えてるやつと三人で。
でも、僕の脚本だったり演出と、彼の役者だったり、稲葉のもろもろだったり、ガチッと相性が良いわけじゃないと思う。それでも一緒にやり続けているのは、なんでだろうか。



女と付き合って面白くなくなる人たちを散々馬鹿にしていた大橋君だが、久しぶりに会った彼はしっかりとその自慢の面白さをどこかに置いてきてしまったようで、後輩の北原に散々馬鹿にされる日々を送っている。

大阪が生んだ稀代のエンターテイナーの復活が待ち遠しい。


ちなみに今体調を崩して伊勢川宅で泥のようになっているけど、助けてなんかあげない。彼はかつて僕を東京湾に沈めようとしてきたからね。



【大橋拓真出演舞台】

2015年8月 どうぶつえん(劇団しろちゃん)

2016年2月 ピュアでセンチなへん態はスポーーツみたいな瞬かん速度(劇団しろちゃん)

2016年5月 ロックでカゲキなセカイ(劇団しろちゃん)

2016年6月 ジョゼフ・コーネルの 箱にまつわる 奇妙な冒険(劇団しろちゃん)

2016年6月 あふたーむーびー(劇団しろちゃん)



2017年2月 ジュリエットは誰(劇団しろちゃん)

2017年3月 みぐるみ(Road of座)

2017年8月 そいつのまわりをぼくたちは(Road of座)

♯22 奈良県の鹿は大変なんだって

奈良ならではの名物といえばそれはもう鹿である。東大寺などの周辺に広がる奈良公園には昔から鹿が生息しており、訪れた観光客に思った以上の重さで寄りかかってきたり、しかせんべいをゆすったりと大人気である。しかし鹿ってけっこう難しい存在なんだって。そういえばこのブログってぼくが『コラム』を書く場所だったんだって思い出した。

奈良公園の鹿は昔から神の使いであるとされ、1957年には国の天然記念物にも登録されてそれはもう大切に保護されまくっている。まあぶっちゃけあいつら、ただ奈良公園で芝食ってフンして座ったり走ったりしてるだけなんだけど。でもそれがすごいらしい。というのもあいつら春日大社から祭られているんだけど、扱い的には野生らしいのだ。ていうか、人の生活のごく近くに野生の鹿がいるということが天然記念物に指定された背景なのである。だからあいつらに餌をまかなう義務を負った人はおらず、公園内で死んでたりしても、別にその遺骸を片付けなければならない人もいない。明確に責任を持った人はいないのである。野生だから。あと天然記念物の鹿ってのは奈良公園の鹿だけで、そこ一歩出ちゃうと神鹿からただの鹿になってしまうらしい。人間の線引きで神か否かが決まるとは、もはや神は人間なのではないか。

で、そうやってみんながかわいいかわいいするもんだから、自然のルールからいくぶんずれて鹿が大量に公園内に生息することになってしまった。平成29年7月の調査では公園内の鹿の総数は1498頭にまで増加していたらしい。天然記念物指定時には498頭だったというからこれはすごい数だ。芝のキャパシティ、もとい芝シティは大丈夫なのだろうか。

つまり当然ながら芝シティがオーバーしてしまっているという事なのだ。そりゃ鹿だけ3倍増えて芝シティは変わってないんだからそうなるわな。鹿としては食べる芝が少ないので人里の畑を荒らしたり、車道という、道路交通法が支配する魔境に足を踏み入れることになって、残念至極、ファイッする。

で、最近ついにそのような現状を止めるべく奈良県は公園内の鹿を捕獲するという動きに出た。ここまで来るとそれはもう、せざるを得ないということだろう。とりあえず試験的な120頭を捕獲する計画らしい。それでどうなるかは未知数であるが、年間60億とも言われる農作物への被害減少や自動車などとの接触事故防止に向けた嚆矢となってほしいものだ。

案の定動物愛護団体から捕獲中止の要望が出されているらしいが、正直彼らはこういう文脈を理解した上での行動なのだろうか不安である。県はこれまでもそのジレンマに人知れず悩まされてきた。鹿はその愛くるしい顔で我々に捕獲中止の協力をせよと迫ってくるが、それに応えることが本当にやつらを大切にするということなのか、落ち着いて考えてみたい。「鹿かわいい~」とSNSで拡散するのは県でも愛護団体でもなくて、我々なのだから。

優しい言葉を囁くことだけが、本当の愛情ではないはずだ。冷たく突き放す愛もありである。

♯21 ザコい正義の記憶

中学二年の時、友人がリンチされそうになりました。

いやあ怖かった。そもそも僕が入っていた卓球部というのはなかなかに壮絶な部活動で、三日に一回くらいはヤンキーが遊びに来る感じで、それをどうやって対処するかが目下の課題でありました。基本的には飽きるまで接待卓球の相手をして4~5個ピン球を持ってお帰りいただくというのが基本のパターンで、翌日に一階男子トイレでピン球の燃えた後が発見されるというところまでがセットでした(ピン球は燃やすと楽しいらしい)。その頃僕は身長も力もザコいのに口先だけが達者なやつで、それでもさすがに強面に胸ぐらを掴まれると膝を震わす以外出来ることがありません。

振り返るに最もつらい時期だった。もう女子になってしまいたかった。殴られないから。まあ結局僕は最終的に、ヤバいやつらも笑わせて喜ばせておけばとりあえず無害であることを発見し、そのポジションに収まることになりました。

そういえば中学の時は女子としゃべるとすぐ「たらし」と言われた。ていうかそもそも恥ずかしくて女子と喋れないし、困ったことがあっても男子内の問題に女子を頼るということは男のプライドが許してはいけないみたいな風潮でした(なんてもったいないことを)。男子は男らしい感性と趣味を持って、かっこよくあろうとしなければならないみたいな時代錯誤の認識を刷り込まれたのも多分この頃でしょう。廊下で組み伏せられている横を女子に通られるときの惨めさったらない。なのにどうして今は、そういうことがない現状の幸せを噛み締めることを忘れてしまっているのだろう。

話が逸れた。で、ある日部活が終わったあと友人が先輩に呼び出された。この友人というのが、中学時代最も仲良くした人で、何故か部活一緒のところ入ろうみたいな、今からすると吐き気がするような約束を交わしていた仲でした。思うにその人はどこかクールな雰囲気があったので、それをけちょんけちょんにしてやろうみたいな思惑があったのでしょう。

さて部活が終わり、こいつ以外みんな帰れとなりました。僕らとしてはなんとか彼を「一緒に帰ろうぜ~」と気楽に言ってその場から誘い出そうとしますがついに荷物を持って外に出さされてしまいます。

「どうしたらええねや」
「先生呼びに行った方がええんちゃうか」
「でもあっこ鍵閉められてもうたで」
「やっぱ俺らもっかい行った方がええんちゃうか」
「いやそれは」

結局のところ皆怖かった。正直自分がターゲットじゃなくて良かったと皆思っていた。で、確かその時、部長が掃除道具入れからほうきを取り出すのを見ました。詳しいいきさつは忘れましたが確かその時彼はこんなことを言いました。

「みんなリーチが長いもん持とう」

いやマジかよ、と。そりゃほうき持ってたら有利ではあるけども、向こうに掴まれて奪われたらヤバいしいくら向こうが悪くても目とか当たったらヤバいでしょ。てかそもそも卓球場は中から鍵が閉められている。あ、でも確かそれについては「ほうきでガラスを割ろう」という結論になりました。なにより僕はここでじっとする以外何も思い浮かんでいなかったので、その時部長が同期なのにすごくかっこよく見えたのを覚えています。

そして各々が好みのほうきを手に、いつ行くかというチキンレースが始まりました。これに至ってはさすがの部長も「用意しとけよ」と言うばっかりで先陣をきれません。そんなこんなで時間が経って…。

で、申し訳ないのですがここまで書いてきて、そこから先の事を覚えていないことに気づきました。次に思い出せるのは泣きながら職員室に駆け込んで先生を呼んだところです。でも確かほうきで戦った記憶はないのですが、どうなったんでしょうか。

まあ結局僕らは、自分達の力で友達を助けることが出来なかった。その日色々あった後みんなで下校するとき、何もなかったように彼に話しかける自分に、正義を果たした感を感じていい気分がした。そして同時に失望した。

一つ、中学時代を終えて知ったのは、溺れている人を助けられるのは、船に乗っている人なんだということでした。自分も溺れてたんじゃ溺れている人は助けられない。横で溺れている人を助けたいと思ったなら、まずは、不格好でも、人を出し抜いてでも船に乗ることです。そうじゃないと、どれだけ崇高な正義感も自己満足になってしまう。


僕はその時の事を考えるたび、自分に昔から染み付くへたれと自己満足の正義感に辟易とさせられて、自分がそもそも底知れぬザコであることを痛感する。高校で合気道部に入ったのも、人を笑わすことに執着したのも、その禍根を幾らかでも克服しようとしたからかもしれません。


そんな僕をただのクズにしたというのだから、大学という場所は恐ろしいですね。

こいバナはるき♯1 ネット小説のバナ

それは三日前の話、「こいバナはるき、でブログ記事書いて」なんて伊勢川に頼まれて。いやいやいや、ブログ記事って…こいバナって…なんて思いながら頑張って書いていきたいと思います。

はじめまして、Road of座の稲葉です。とりあえず一回目のブログです。こい、恋、故意といろいろあるので今回は「濃い話」で書いてみようかなって思います。もしかしたら今後変わっていくかもなのでどしどしアイデア募集中です。




実は自分、中学のころからこっそりと続いてる趣味がありましてそれがネット小説を読むことです。あんまりネット小説にいいイメージがある人は少ないと思いますが、まあそんな感じです。もちろんピンからキリまで幅広くあるのですが、書籍と違って狭き門をくぐってないのでものすごくキリまであります。むしろピンだと思う作品はあまり出会えてないです。もしネットに小説を公開してる人が読んでたらごめんなさい。でも、どっかのラノベの二番煎じみたいな作品もたまになら「くだらねぇ」って思いながら楽しめるモノなんですよ。



今回はその中で今でも読み返す作品を一つ、
「名探偵・桜野美海子の最期」http://ncode.syosetu.com/n8857cu/
作者は凛野冥さま。あらすじとしては稀代の小説家が建てた塔に5人の名探偵とその助手が集められる。探偵と密室空間が合わされば起きるのはもちろん殺人事件。連続殺人に密室殺人やダイイングメッセージなど推理小説の醍醐味を盛り込んで、最終的にはどんでん返し、といった感じ。

この作品で好きなのは全体に流れるマヒした感覚だ。例えば作中で使用人が死んでいても誰も慌てない。なぜなら登場人物が全員探偵の関係者だから、むしろ喜んだり次の犠牲者を推理するだけ。作品全体でも探偵が5人もいたり、推理小説のお約束がこれでもかと詰め込まれていたりと、読者がマヒするのだ。だから異常であるはずの探偵たちの反応を正常だと思ってしまう。そうしてマヒした自分の感覚に気付いてしまうのだ。

この作品の主題としてあるのは、作中にも出てくる「後期クイーン問題」。簡単に言うと探偵による推理は一つの結論であって真実だとは確かめられない、ということ。なんかまだ難しいですね。例えば、探偵が推理をする、けれど作中一度も触れられない証拠や目撃情報、又は探偵の推理の基となる証拠が間違えてたとい場合があるかもしれない、それなのに「犯人はお前だ」と言って犯人の自白があって、それで全部を丸く収めてしまうことだ。

この話の何が怖いって、「何を言ってる、当たり前じゃないか」って思ってしまうことです。探偵が決めた犯人は犯人であり、犯人が崖際に追い詰められて自白すれば万事解決なのです。例えどんだけ飛躍していようがホームズが言えば正しく、何百年後の東洋の端っこの国でも探偵の第一人者としているんです。それが当たり前なんです。こういう風に読者はマヒしているんです。

つまり作者も読者も、何をもって終わりとするかが大切なんだと考えてます。この物語りの不完全さを唯一補えるのは読者側の想像力なんですから。こんな感じでとりあえず書いてみました。面白いのかな?あんま濃い話してない気もしますし、とりあえず来週までに面白いネタ考えておきます。



あ、不完全な物語と言えば8月29日に僕らRoad of座の第二回公演「そいつのまわりを ぼくたちは」を上演します。詳しいことはホームページに書いてあります。てかホームページ頑張って作ってるので見に来てください。以上稲葉でした。
https://roadofza2017.wixsite.com/roadofza

♯20 ランニングノスタルジー【解答付き】

久しぶりに地元でランニングすることにした。コースは駅の反対側の比較的自然の多いところにした。駅の方はどうせこれからもたくさん通る道だと思ったので。

それにしても久しぶりに帰ると地元の街並みがミニチュアのように見えるのは何故だろう。なんてことを考えながら買ったきり数回しか履いていないランニングシューズを誇らしげに駆け出した。

始まってすぐ見えるのは徒歩二分の公園である。小学生の頃自転車で行ける範囲の公園は大体網羅していた(鬼ごっこすればその公園を『知った』ことになるみたいな風潮だった)が、中でもその公園は基準になるような公園で、思い出に事欠くことがない。昔その公園に猫の赤ちゃんが捨てられていて友達三人で雨の中近所の家々に飼ってもらえないかと回ったこともあったし、ピアノを習いに行くのが嫌で家出した結果行き着いたこともある。滑り台で年上に混ざってアリ地獄をして力が強いと褒められたこともあった。 早速頭が過去に引き戻されるが、現在その公園は、木登りが危険だということで僕が十八番にしていた木々は皆切り株になってたり、ボール遊び禁止の看板がやたら張られていたりしていた。ボール遊びしないでこのグラウンドは何に使えば良かったんだろう。あと、公園の前に犬を庭に放し飼いしていた家があったのだが、肝心のレオナルド・ダ・ヴィンチの姿はなかった。皆にレオレオ呼ばれて尻尾振ってたやつはどこに行ったんだ。

やがて通っていた小学校が見える。巨大な池を埋め立てて作ったから名前を大池小学校という。よく間違えて大橋小学校と書いてしまったものだ。大、まで書いて油断するとそうなる。

道中もっともショックだったのが、パン屋「リッチ」の消滅である。「リッチ」は書道、ピアノ、散髪と、あらゆるニーズへの道すがらにあり、母はよく「リッチさん買ってきたよ」と言っては子供の機嫌をとった。おかげで僕は名前自体が「リッチさん」なのだと誤解していた難しい時期を経験することとなった。余談だが、友達界隈ではパン屋では圧倒的に「ガリバー」が人気で、僕は常にマイノリティに回ることとなったが、その気持ち良さに味をしめたのが今日の僕となってしまっている。

やがて、二つ目の公園が見えてくる。そこは最寄りの公園よりも圧倒的に広大なグラウンドを所有しており、それが小学生の僕には圧倒的魅力となった。当時野球にのめり込んでいた僕は仲間と共に野球チーム「桑田ファイターズ」を立ち上げ毎週水曜放課後はそこで野球することにしていた。少年野球に入らないやつらに偉そうにノックをしていたのが僕だ。そいつらが中学で野球部に入ったことを聞いたときは謎の感動がこみ上げた。

久しぶりのランニングはすぐに息があがったのでその日はそこで切り上げることにした。さあ、早く帰ろう。早く。その時ふと目に入ったのが、排水路である。昔、その排水路がどうなっているのか確かめるべく中を探険しまくったことあったっけ。その結果道なりよりも格段に早く目的地に着けることを発見し、うれしかった。帰ってそのことを母に言ったら誰々が中学受験の勉強をもう始めてるのに、とか言われた記憶がある。ともあれ、当然ながら今回は道なりに帰った。

少年時代に冒険だった距離は今やランニング圏内に収まり、この道もあの道も袋小路になるところまで知っている。また、それと同じように神童と呼ばれた彼の最終学歴も、手の付けられないあの腕白野郎の就職先も知ってしまった。僕もまた未知数の将来を確実に現実化しながらランニングしているのだ。仕方ない。かけがえのないこの地元の記憶を、かけがえのない僕だけの一歩にしてどこかへ進んでいくしかない。とりあえず札幌へ。



【解答】
白兎は稲葉ではなく因幡である。よって正解は白兎。